RCの堅牢さと木造の軽さをあわせた宿泊建築
Villa Azure Mira
2026.08
- 所在地沖縄県宮古島市
- 階数地上2階
- 床面積405.6㎡A棟(98.52㎡)B棟(100.11㎡)C棟(1階82.05㎡・2階59.81㎡)管理棟・共用(65.11㎡)
- 業態宿泊施設
- Concept
この宿泊施設は、 宮古島の南の丘陵地・上野に佇む宿泊施設。 丘の上からは、 緑豊かな森と入り組んだ湾の景色が重なり合うように広がっている。 地元では「インギャー(イムギャー)」と呼ばれ、「囲まれた湧水」を意味するその場所には、 特有の静けさと豊かな自然が息づいている。 そうした入り組んだ地形と海、 そして周囲の森と空。 島の海岸沿いが持つ空気そのものを空間へ取り込みたいという想いから、 本計画はスタートした。
配置計画:自然のビューと地形への応答
台形型の敷地全体を活かし、 管理棟および3つの宿泊棟(A・B・C棟)で構成している。 敷地を奥から手前へと見立ててビューを観測していくと、 C棟が位置する敷地北側の奥では、 1階レベルだと視界に占める森の割合がどうしても多くなってしまう。 そのためC棟を2階建てとし、 インギャーの湾に広がる景色を抜けて望む計画とした。 続くB棟およびA棟は、 それぞれ平家建てとしている。 それぞれの棟は、 敷地の形状に寄り添いながら海へと向かう意思を表現するように、 わずかに「くの字」に折り曲げられている。 海に面した前面にはそれぞれプライベートプールを設け、 水面が海と空へと連続し、 周囲の自然と調和する配置とした。 配置そのものが複雑な湾のようである。構造と意匠:堅牢さと軽快さの融合
C棟はRC造の2階建てとし、 コンクリートの堅牢さを活かして構造体の影が美しく落ちるフレーム的な庇をしつらえた。 敷地の奥という位置づけから、 地に足の着いた1階レベルと視界がぐっと開ける2階レベルとで異なる目線を生み出し、 インギャーの景色のダイナミズムを体感させる。
一方、 A・B棟は、 RC・鉄骨(S)纉木造(W)續3つの構造を混構造として緻密に組み合わせている。 リビングを囲むRCの壁は、 宮古島の厳しい台風の風を確実に遮る強固なシェルターとなる。 その一方で、 海に面した開口部は限界まで大きくひらきたい。 そこで、鉄骨梁を用いてリビング側面の壁同士を繋ぎ、 袖壁を出さないRCと鉄骨による門型フレームを構築した。 その鉄骨の梁に対して、 海の方向を指し示すように木造の垂木を規則正しく架け渡し、 屋根を構成している。 RCよりも高い断熱性を持つこの屋根は、 重厚なRC壁の「守り」に対して、 圧倒的な「軽快さ」を生み出す。 この軽快な架構によって生まれた大開口と、 空を切り取る欄間(ハイサイド窓)が、 南国情緒あふれる光を室内に引き込み、宿泊者に非日常の開放感と、 シェルターとしての絶対的な安心感をもたらしている。緻密な配置計画、 構造の必然性、 そして沖縄らしい素材の選択。 数々の要素が重なり合いながら、 すべてのピースが「インギャー」の風景へと収斂していく。重厚なシェルターに身を委ね、 風と光に身を預ける場所。 ここが、 宮古島の自然と一体になり、 大切な時間を刻む建築となって欲しいと願っている。
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- A棟Azure Suite Ⅰ
- 木の温もりを感じる天井とフローリングに、コンクリートの素材感を組み合わせ、落ち着きのある空間
- A棟Azure Suite Ⅰ
- 丘陵地の豊かさを感じるリビング
- A棟Azure Suite Ⅰ
- 窓の外に広がる緑や空を楽しめる、ゆったりと配置したソファとダイニングスペース
- A棟Azure Suite Ⅰ
- 青空と一体の景色となったテラス。濃いブルーのモザイクタイルが際立つプール
- A棟Azure Suite Ⅰ
- 吹き抜けた開放感のテラス
- A棟Azure Suite Ⅰ
- 壁に琉球石灰岩を採り入れたリビングサイドの寝室
- A棟Azure Suite Ⅰ
- ツイン寝室
- A棟Azure Suite Ⅰ
- ダブルベッドの寝室
- A棟Azure Suite Ⅰ
- コンパクトに納めたキッチン
- A棟Azure Suite Ⅰ
- テラスに隣接する洗面室&バスルーム
- A棟Azure Suite Ⅰ
- 寝室に近くに配置した水回り
- A棟Azure Suite Ⅰ
- グラデーションのような夕景を眺めるリラックス空間
- A棟Azure Suite Ⅰ
- 間接照明によって梁の陰影が浮かび上がり、より印象的な空間
- A棟Azure Suite Ⅰ
- 夜の魅力的な照明
- A棟Azure Suite Ⅰ
- 木梁とコンクリートの掛け合わせが特徴的なテラス
- B棟Azure Suite Ⅱ
- 開口部にはトップライトを設け、より借景を堪能することができる
- B棟Azure Suite Ⅱ
- 緩やかな勾配をつけた木構造の天井。南国感が引き立つデザイン
- B棟Azure Suite Ⅱ
- 青空をテーマにしたAzureMira
- B棟Azure Suite Ⅱ
- リゾート感のあふれるプライベートプール
- B棟Azure Suite Ⅱ
- 壁に琉球石灰岩を採り入れたリビングサイドの寝室
- B棟Azure Suite Ⅱ
- ツインルーム
- B棟Azure Suite Ⅱ
- コンパクトに納めたキッチン
- B棟Azure Suite Ⅱ
- テラスに隣接する洗面室&バスルーム
- B棟Azure Suite Ⅱ
- トップライトを設け光を取り込む
- B棟Azure Suite Ⅱ
- 木目の質感により温かみのある室内
- B棟Azure Suite Ⅱ
- 間接照明により陰影が心地よいラグジュアリーな空間
- B棟Azure Suite Ⅱ
- プールサイドからはダイナミックな印象を受けつつ、吹き抜けによる解放感のあるデザイン
- B棟Azure Suite Ⅱ
- 戸建感のあるプライベートテラス
- C棟Presidential suite
- 海を臨み開放的な空間が広がる
- C棟Presidential suite
- 東南に向いたリビング
- C棟Presidential suite
- 東南向きのテラス&プール
- C棟Presidential suite
- 1階_テラスに隣接する洗面室&バスルーム。置き式のバスタブを採用
- C棟Presidential suite
- 1階_ツイン寝室
- C棟Presidential suite
- 1階_ツイン寝室
- C棟Presidential suite
- 2階_寝室
- C棟Presidential suite
- 2階_和室・リビングが併設されたくつろぎの空間
- C棟Presidential suite
- 2階_小上がりの畳スペース。景色を主役にしたデザイン
- C棟Presidential suite
- 2階_洗面室&浴室。五衛門風呂で、景色を堪能
- C棟Presidential suite
- 1階_木目違いのディープな色合いとグレー系統を掛け合わせたダイニングキッチン
- C棟Presidential suite
- 1階_グレージュの壁と石目タイルを組み合わせた上質な空間
- C棟Presidential suite
- 1階_リビングからの夕景も癒しの空間
- C棟Presidential suite
- 自然に溶け込み過ごしやすい環境
- Villa Azure Mira_Facade
- エントランス側には、木製ルーバーの装飾が温かみのある南国感を醸し出している
- Villa Azure Mira_Facade
- 水平ラインを強調したシンプルなデザイン。コンクリート・木・白壁の素材感が織りなすモダンデザイン
- Villa Azure Mira_Facade
- Sign
- Villa Azure Mira_Facade
- 東南向きに開かれたプライベートヴィラ。朝日を浴び一日を通して明るい空間
- Villa Azure Mira_Facade
- 空撮夕景
撮影:井田佳明





















































