HOUSE
27坪に集う、3世代の平屋
あいだのいえ
2025.03
- 所在地沖縄県八重瀬町
- 階数地上1階
- 床面積95.29㎡
CONCEPTコンセプト
沖縄県八重瀬町に建つ平屋住宅の事例。
複数世帯が一緒に暮らす家では、玄関や水回りを完全に分けた「二世帯住宅」を選び、建物が大きくなりがちである。
しかし、八重瀬のサトウキビ畑に面したこの敷地で求められたのは、子ども、その両親、そして祖父母という総勢7名もの大家族が、1 つのリビングと1 つのキッチンをみんなで共有し、仲良く快適に暮らす平屋であった。
今回の計画で、建物の広さを27坪に抑えた背景には予算面の理由もあった。しかし私たちは、その制限をマイナスとは捉えなかった。限られた広さだからこそ生まれる「家族のちょうどいい距離感」を大切にし、全員がそれぞれお気に入りの居場所を見つけられるように間取りを工夫した。広さをただ求めるのではなく、設計の知恵でとても面白いプランに変えたこの住まいは、多世帯同居の予算や広さで悩んでいる方へのひとつのヒントになるはずである。
配置計画では、敷地と建物をぴったり繋げながら、西・中央・東の3つのエリアに分かりやすく分けている。そして、真ん中に置いたLDKが、西側の祖父母エリアと、東側の子ども・親エリアを間繋ぎ、家全体を優しく繋ぐ役割を果たしている。まず西側には駐車場を配置し、そこからデイサービスのお迎えなどがスムーズにできるように、祖父母の寝室と洗面・お風呂などの水回りを集めた。寝室と水回りを近づけることで移動を短くし、将来の介護や通院にも対応しやすい優しい配置としている。
真ん中のLDKは、南側のサトウキビ畑からたくさんの光が入る明るい空間とし、外のテラスを囲むようにリビング、キッチン、ダイニングを設けた。この中央のキッチンが、西側の水回りへ行くときの通り道にもなっている。また、ダイニングを少し奥まった半個室のような形にして、リビングと少し距離を置いたのが特徴である。これは、元気に動き回る子どもたちと、祖父母や親世代が少し離れて、お互いが落ち着いて過ごせるようにするための工夫である。そして東側 エリアには、子ども部屋と両親の部屋を配置。すべての個室からリビングへ直接出入りできる間取りにすることで、どこにいても家族の一体感を感じられるようにしている。
南側の大きな窓から見える緑や、天井高2850mmののびのびとした空間、高窓から入る柔らかい光のおかげで、27坪というコンパクトさを感じさせないゆとりが生まれた。家族を世帯で分ける訳ではなく、お互いの気配を優しく感じながら心地よく暮らす、これからの多世帯住宅のひとつのあり方である。
PHOTO GALLERY
Facard北側外観
北側ファサード。前面道路からのプライバシーに配慮したコンクリートの構造体。上部とサイドのスリットから光と風を取り込む
Facard西側外観
駐車場側に面した西側ファサード。祖父母の個室エリアから負担を軽減した配置の出入口
Entrance玄関
トップライトを設けた玄関。玄関は(リビング側・キッチン側)左右へ回遊する配置となっている
Entrance玄関
玄関より、収納スペース・キッチンへ続く
Livingリビング
南に大きく開口を設けたリビング
Livingリビング
さとうきび畑に面したリビング
Livingリビング
家族の共有するリビングを中心に、東西に設けた個室を隣接させ、自然と家族の気配を感じることができる
Kitchenキッチン
ダイニングキッチンに続くエリアは、祖父母の寝室と水回りを配置
Diningダイニング
動線がスムースに配置された半個室のダイニング。南に面する開口部からはさとうきび畑の風景と共に、穏やかな日常を感じる
Washbasin洗面室
収納スペースに隣接する洗面室
Bathroom浴室
将来の介護や介助に支障のない広さを設けた、シャワーのみの浴室。
Kitchenキッチン
キッチン背面収納は、タイル貼りがアクセント。真鍮の金具と木目が美しい造作家具
Kitchenキッチン
タイル貼りがアクセントとなっているキッチンカウンター。奥は収納スペース
Diningダイニング
オリジナルのダイニングテーブルや料理の彩をペンダントライトが、美しく照らす
LDK
家の中央に位置する、温かみのあるLDK
Facard外観
北側外観の夕景
Approch玄関アプローチ
エントランスへのアプローチ
Facard外観
ライトアップにより外観が引き立つファサード
撮影:井田佳明



















