HOUSE
素材のテクスチャーを活かしたミニマルな空間
M283
2023.05
- 所在地沖縄県嘉手納町
- 階数地上2階
- 床面積106.57㎡
CONCEPTコンセプト
以前から暮らし続けたいと探し求めていた街の閑静な住宅地の一画に住宅計画はスタートした。
区画され成形されている短冊状の土地は道路以外の三面を建物に囲まれており、車社会の沖縄において建物の配置計画は限られている。
第一に道路側に車数台が駐車出来るスペースを確保する必要があり、残った敷地面積と要望諸室の必要面積から2階建ての計画となった。
道路側の方位が南側に位置することから家族が集うLDKを配置したく、その居住性を高める為に駐車場とLDKの緩衝帯としてテラスを設けた。
テラスは面積や奥行きをあまり確保できなかった為、吹抜け部分(2階部分)を加えることにより充分な採光と通風を得れると考えた。
またテラスの駐車場に面する部分にはプライバシーを考慮して目隠し壁を設け、他の部分の外壁と、色と高さに変化をつけたファサードデザインとし意匠性も兼ね備えた。
内装はコンクリート杉型枠打放ち仕上げを中心に、その質感や色味に合せて木部はウォルナットを用いた落ち着いた雰囲気とした。
廊下の壁の一部には特殊な塗料を用いたり、鉄板を仕込む事で極力薄くした踏板の階段、間接照明にてベース照度を得るよう配置することで
天井や壁に照明器具を設けない等、よりミニマルなデザインとなるよう工夫を施した上質な空間となった。
PHOTO GALLERY
Facade南側外観
建物正面 高さと色が違う面で構成されているのが特徴のファサード。
Entrance玄関
玄関扉を開く。グレーを基調とした仕上げ材とウォルナット(木材)の落ち着いた空間が出迎える。
Entrance玄関
トップライトで照らされた杉型枠打放ちの陰影が楽しめる。
LDK
玄関側よりLDKを見る。リビング空間が床上げされているのはこの家の特徴的な部分。
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ダイニング・キッチンの上部には杉型枠打放ちの木板幅に合わせて加工した木板乱尺貼り。
LDK
壁・天井・家具の木目・長手方向を揃えて空間に広がりを感じさせる。
LDK
天井高4.5mのリビング。テラスは目隠し壁で囲われ視線を感じさせず開放的な空間。
LDK
テラス側よりLDKを見る。吹抜けを通し2階と繋がりを持たせている。
LDK
床上げしたリビングの床はダイニングテーブルのベンチとなる。
LDK
キッチンで作業する人とリビングソファーに腰かけた際の目線が合いコミュニケーションが取りやすい。
Stairs階段
踏板が薄く軽やかな階段。
Hallway廊下
特殊なデコレーションペイントを用いた壁。色と模様で上質な雰囲気を楽しむ。
Rest roomトイレ
一部に普通型枠打放ちを採用。タイルのように半分ずらした型枠とすることで遊び心をプラス。
Shower roomシャワー室
トップライトで明るいシャワー室。物を置けるように一部ニッチ(堀込)にしている。
Bedroom寝室
ベッドヘッドから天井まで仕上げを連続させたデザイン。ニッチはベッドの配置に併せて計画している。
Children's room子供部屋
子供が小さいうちは、行き来できるよう建具で区切っている。
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光源の眩しさを抑えた器具と間接照明を用いた照明計画
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キッチン上部と収納下部の間接照明が型枠の壁と木板の天井を照らす。
LDK
間接照明が空間演出する効果と充分な照度をもたらす。
Facade nightscape南側外観 夜景
足元に照明を用いて軽やかさを演出したファサード。植物の葉の陰影も印象的。
撮影:井田 佳明